「おふくろの味」

夕飯なにがいい?

と聞くのは主婦の怠慢の最たるものである。
たいがい、何にも作りたくないのだ。
だから、この答えは、「カップめん」「そば屋にでんわ~」などが
模範解答となる。
「あんまり食べたくない」あたりは、はなまるだ。

一方、聞くほうも聞くほうで、
この“何がいいか?”というセリフは
たとえば「ウイーン風仔牛のカツレツ」
たとえば「マツタケの土瓶蒸し」
たとえば「サムギョンプル」
と言われても、ハイハイと作れる自信がある時しか
発してはいけない。

さて、しかし、日常において
何がいいか と聞かれると、
なんでもいい となる。
これは両者共に献立ラビリンスに入ったものとし、
残り物カレーともやしの味噌汁 
のような食事をするまで脱出できない。


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