「ラップ族」

今日、美容室に行ったら
美容師さんが、もうすぐ共通の知人が来ると教えてくれた。
しばらく会えていなかったので、同じ日に予約を入れた偶然に
とてもうれしくなってしまった。
スポーツクラブに行ってから来たという、
トレーニングウエアの彼女が、少し頬を紅潮させて入ってきた。

“こんにちは”

と声をかけたけれど、さっぱり分からない様子。
そりゃそうだ。
こちとら頭に薬品をつけてラップを巻いている。
私と分かると、知人も「会えて得した気分」なんて言ってくれて
店にいた、知らないおばさん(ラップ)まで
みんなでニコニコした。

一緒にDVDをたくさん見る約束をして
ラップの彼女より一足先に店を出た。


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